
シンチャオ♪
ベトナム、バリア=ブンタウ省チャウドゥクのカカオ農園に立つと、足元の土がふかふかと柔らかいことに気づきます。この豊かな土壌を守るために、私たちはある「大切な習慣」を続けています。それは、製造過程で出たカカオの殻(ハスク)や、使い切れなかった部位を、再び農園の土へと還してあげることです。今日は、OCAが実践する「命の循環」についてお話しします。
農業において、作物を収穫するということは、その土地から栄養を分けてもらうということです。収穫し続けるだけでは、土はやがて痩せ、生命力を失ってしまいます。だからこそ、私たちはカカオの全てを愛し、使い、そして最後には必ず土へ還します。カカオハスクを細かく砕き、時間をかけて発酵させて作った自家製の肥料は、カカオの木にとって何よりの栄養源となります。自分を育ててくれた土へ、自らの体の一部を還してあげる。この美しいサイクルこそが、OCAの目指す農業の原点です。
化学肥料を使えば、手軽に収穫量を増やすことはできるかもしれません。しかし、それは一時的な「略奪」に過ぎません。私たちが選んだのは、時間がかかっても、土そのものの力を再生させていく「リジェネラティブ(環境再生)」な道です。土が元気になれば、そこに住む微生物や昆虫が活発になり、結果としてカカオの木も病気に強く、健やかに育ちます。そしてその木から実るカカオには、大地への感謝が詰まった深い味わいが宿るのです。
「ゴミ」という言葉を捨て、「資源」として循環させること。これは、農園という一つの場所だけで完結する物語ではありません。地球全体が大きな一つの循環系であると捉えれば、私たちのこの小さな一歩が、未来の環境を創る確かな力になると信じています。チャウドゥクの土から生まれた命を、再び土へ。感謝を込めて還すこの営みを、私たちはこれからも愚直に続けていきます。


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