
シンチャオ♪
ベトナムの南部、美しい海に面したブンタウという街。私はここを拠点に、カカオの夢を追いかけています。でも、私の仕事は「美味しいチョコレートを作ること」だけではありません。それ以上に大切にしているのが「人作り」と「地域の産業作り」です。
私たちが運営する自社農園や工場では、現地のベトナム人スタッフたちが主役となって働いています。当初はカカオの専門的な知識がなかった彼らも、今では一人一人が「自分たちの手で世界一のチョコを作るんだ」という誇りを持って仕事に取り組んでいます。
私たちは、単に労働力を雇うのではなく、教育と成長の場を提供することを重視しています。カカオの木の剪定から、繊細な発酵管理、そして美しいチョコレートの成形まで。技術を一つずつ身につけ、自分たちの仕事が日本の皆さんに喜ばれていることを知る。その時の彼らの輝くような笑顔こそが、私がこの地で事業を続ける最大の原動力です。
ベトナムのカカオはポテンシャルが非常に高いのですが、これまでは単なる「安い農作物」として豆のまま輸出されることがほとんどでした。しかし、このブンタウの地でチョコにまで加工し、付加価値をつけて世界へ届けることができれば、それは地域にとっての大きな「産業」になります。雇用が生まれ、生活が豊かになり、次世代の若者たちが誇りを持って働ける場所ができる。それが、私が描いている「Farm to Bar」の完成形です。
日本から来た私を、彼らは家族のように受け入れてくれました。言葉や文化の壁を越えて、一つの目標に向かって汗を流す日々。時には意見がぶつかることもありますが、そこには常に「より良いものを作りたい」という純粋な情熱があります。
私たちが届けているのは、単なるお菓子ではありません。ベトナムの若者たちの夢や、彼らが成長していく過程の輝き、そしてブンタウという街の未来が詰まった一品です。一枚のチョコを通じて、ベトナムと日本が繋がり、お互いの笑顔が増えていく。そんな温かい循環を、これからもこの街から広げていきたいと思っています。


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