OCAチョコレートの香りを決める運命の瞬間。カカオ豆ロースティング(焙煎)の芸術

シンチャオ♪

乾燥が終わり、品質が安定したカカオ豆に、いよいよ「火」を入れます。「ロースティング(焙煎)」の工程です。コーヒーと同じように、カカオもこの焙煎の温度と時間の設定によって、最終的なチョコレートの味わいや香りのプロファイルが劇的に変化します。ここはまさに、OCAの個性を決定づける「運命の瞬間」と言っても過言ではありません。

私たちは、カカオの品種や、その年の気候によって微妙に異なる豆の状態を細かく観察し、1度単位で温度を調整し、秒単位で時間を管理します。浅く煎れば、ベトナム産カカオ特有のフルーティーな酸味や華やかな香りが際立ちます。逆に深く煎れば、ナッツのような香ばしさと力強いコクが生まれます。大手食品メーカーの工場のように、決まったプログラムで機械を回すだけでは、この繊細なバランスは引き出せません。

私たちは、釜から立ち上がる香りの変化に神経を集中させ、五感を研ぎ澄ませて最適な「煎り止め」の瞬間を見極めます。チャウドゥクの工場内に、香ばしくも甘いカカオの香りが立ち込めるこの時間は、私にとっても至福の時です。しかし同時に、一瞬の判断ミスが全てを台無しにする、極限の緊張感が漂う真剣勝負の場でもあります。

私たちが目指すのは、バリア=ブンタウの土壌が育んだカカオのポテンシャルを120%引き出し、雑味のないクリアな風味を完成させることです。現場で立ち会い、スタッフと共に理想の香りを追求する。この「熱」のコントロールに対する一切の妥協なき姿勢こそが、OCAのプライドであり、チョコレート愛好家を唸らせる秘訣なのです。

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