森を創るサステナブル農業。ベトナムの多様性が命を育む「アグロフォレストリー」の現場から

シンチャオ♪

ベトナム、バリア=ブンタウ省チャウドゥクにあるOCAのカカオ農園に足を踏み入れると、多くの日本の皆さんは少し驚かれます。見渡す限りカカオの木だけが整然と並んでいるような、いわゆる「単一栽培(モノカルチャー)」の風景ではないからです。そこには、背の高いバナナの木やココナッツ、そして様々な果樹がカカオの木に寄り添うように生い茂っています。

カカオは元々、熱帯雨林の大きな木々の木漏れ日の中で育つ、とてもデリケートな植物です。強烈な直射日光や強風を嫌うため、彼らを守る「シェードツリー(日陰樹)」の存在が欠かせません。バナナの大きな葉が日傘となり、深く根を張る他の植物が土壌の水分を保ち、落ち葉が極上の腐葉土となって土を肥やす。この自然の理にかなった森のような農法を「アグロフォレストリー」と呼びます。

効率だけを求め、農薬や化学肥料で無理やりカカオだけを育てる工業的な農業は、一時的な収穫量は増えるかもしれませんが、数年で土壌を枯渇させてしまいます。私たちがアグロフォレストリーにこだわるのは、それが「100年後も続く農業」の唯一の答えだと確信しているからです。

多種多様な植物と生き物が共生する、チャウドゥクの豊かな森。そこから収穫されるカカオには、単一栽培では決して生み出せない、複雑で力強い大地のエネルギーが宿っています。私たちのチョコレートを一口味わうとき、その背景にある「命溢れる森の風景」を、ぜひ想像してみてください。

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