命を凝縮させる。ベトナム・チャウドゥックの風と太陽によるカカオ「乾燥」の工程

シンチャオ♪

「発酵」について詳しく書きましたが、発酵が終わった直後のカカオ豆はまだ水分をたっぷり含んだ状態です。ここから、いよいよバリア=ブンタウ省チャウドゥクにある「OCAカカオ工場」での工程が始まります。最初の大切なステップは「乾燥」です。

発酵を終えたばかりのカカオ豆は、水分値が約60%ほどあります。これをそのままにしておくと、水分によってすぐに傷んだりカビが発生したりしてしまいます。そのため、私たちはこの水分をじっくりと7%未満まで落としていく作業を行います。ここでも私たちは、自然の力を最大限に活用します。バリア=ブンタウ省の豊かな自然が育む太陽の光を惜しみなく浴びせ、チャウドゥクの清々しい風を通しながら、数日間かけて丁寧な天日乾燥を行います。

現代の効率重視の工場では、巨大な機械を使って短時間で熱を加え、一気に乾かしてしまうことも珍しくありません。しかし、急いで熱を加えれば、せっかくの発酵過程で生まれたカカオの繊細なフレーバーやアロマが壊れてしまいます。それは私たちにとって、耐え難いことです。60代の私が見守る中で、経験豊富なスタッフたちが一粒一粒、均一に乾くよう丁寧に豆を広げ、何度も混ぜ合わせる。この手間を惜しまない作業が、チョコレートの品質を決定づけます。

この穏やかな乾燥過程を経ることで、発酵中に生まれた素晴らしい香りの成分が豆の中にギュッと閉じ込められます。そして、長期保存に耐えうる、チョコレートの「原料」としての真の姿へと変わっていくのです。カカオの命を凝縮させるこの時間は、静かですが非常に重要で、私たちの誇りでもあります。チャウドゥクの空の下、ゆっくりと時間をかけて最高の状態へと導かれたカカオ豆。これが、皆様にお届けするOCAチョコレートの揺るぎない出発点なのです。

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