
シンチャオ♪
本日は、農園での最もエキサイティングな瞬間「収穫」についてお話しします。OCAの農園では、一年を通してカラフルなカカオの実(カカオポッド)が木に実ります。しかし、それをいつ収穫するか。ここには、長年の経験と研ぎ澄まされた感覚が必要な「職人技」が隠されています。
カカオはバナナやリンゴのように、収穫後に置いておけば甘くなる「追熟」をしません。木についているその瞬間に、最高に熟した状態で摘み取らなければならないのです。早すぎれば酸味が尖り、遅すぎれば種が発芽を始めて味が落ちてしまいます。
私たちは、カカオの一つひとつと対話するように収穫を進めます。皮の色、形、そして表面を軽く叩いた時の音。スタッフたちはこれらを総合的に判断して、「今だ!」という瞬間にハサミを入れます。この「見極め」の精度が、その後の発酵の成否、ひいては最終的なチョコレートの味を左右するのです。
収穫作業は、すべて手作業で行われます。高い枝にある実は、竿の先に付いたカギ状の刃物で慎重に切り落とします。カカオの木を傷つけないよう、そして実を地面に叩きつけないよう、細心の注意を払います。重いカカオを運び出すのは重労働ですが、スタッフたちの顔にはいつも活気が溢れています。
自分たちが手塩にかけて育てたカカオが、理想的な状態で収穫できる喜び。それは、農家にしか味わえない格別の達成感です。私はその様子を見守りながら、この一粒一粒がこれから海を越えて、日本の皆さんに届けられる姿を想像します。
収穫は、私たちが畑で行う仕事の集大成です。でも同時に、それは「発酵」という次の魔法のステップへの始まりでもあります。農園での丁寧な手仕事が、次の工程へとバトンを渡していく。この一貫した「Farm to Bar」の流れの中で、収穫という作業は最も生命力に満ちた瞬間なのです。


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